奇妙な住人たち
僕が生まれてからずっと住んでいたアパート「むさしの荘」には数々のおかしな住人がいた。ちなみにそのアパートは友達から「つぶれ荘」とか言われていた。失礼な!
例えば
- 漫画家、というかアシスタントだったと思うんだけど、大体いつも半年に1回くらいの割合でドカンと家賃を払う。要するに仕事のギャラが不定期だからもらった時に払うらしいのだ。ある日、とうとう自分のマンガを出版することができたっという話になってうちの母親が「よかったじゃない!!10冊位買ってあげるからマンガの題名教えてよ」って言ったら頑なに拒否されたそうだ。母曰く「あれはきっとエロ漫画よ」
- 40過ぎの自称看護婦で結局家賃1年半滞納してトンズラこきやがった。地獄へ落ちろ。
- 両親と子供二人の家族なんだけど、明らかに家庭崩壊気味で、ドア開け放したままいつも大喧嘩。お父さんはちょっとチンピラ風だった。ある日、お母さんが蒸発。お父さんもほぼプータローのため子供は施設に預けることに。お父さん一人になったらすっかり意気消沈して仕事しないから家賃払えない。うちの父親は怒って、「家賃いらねえから出て行け!」て言ったら、「出て行くにも金ないからどこにも行けないです」とか泣きが入り、結局お金上げて出て行ってもらった。
- アパートの部屋を猫屋敷にしていたおばちゃん。
こんな中で今でもはっきりと覚えている事件があるんだ。それは僕が小学生だったと思うんだけど、ある日曜日の朝、うちのドアを激しくノックする人がいる。母親がドアを開けた瞬間、うちの隣の隣に住んでた夫婦の奥さんが顔面血だらけ、腫れまくりでうちに駆け込み、押入れに勝手に入ってガタガタ震えている「殺される、殺される‥‥」と言いながら。それから5分後、今度は旦那が来る。うちの母親に向かって「うちの女房、来てるんでしょう?わかってるんだよ。おい、○子、出て来い!出て来い!!」
それまでだまって寝ていた親父がブチ切れて
「朝っぱらからうるせえぞこの野郎!」と一喝。そ旦那は「す、すいません」と帰っていった。その後奥さんに話を聞いたところ、浮気がバレてボコボコにされたそうだ。
その一ヵ月後、旦那が仕事に出かけている間に浮気相手と駆け落ちをするため、自分の荷物を車に運び、うちに挨拶をして去っていった。多分奥さん50前位だったと思うんだけど、浮気相手30そこそこだったな。
その後旦那しつこかったな。「うちのはどこへ行ったんすか?知っているんでしょ?教えて下さいよ!」って。知らねえっつうの。
そこでうちの親が得た教訓は、40過ぎた人間がうちのようなアパート(築15年くらい家賃4~5万)に引っ越してくる場合、要注意。それからは若い人もしくは女性に住居人は絞っていた。
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